2020年5月31日礼拝

 新しい歩みのために  

使徒の働き1章3~8節

福音は心の思いを明らかにする ・今日は聖霊降臨日です。主イエスは復活後40日間弟子たちの前に現れてくださいました。彼らは元の生活に戻ったのではありません。この期間は新しい歩みのための準備期間でした。イエスは弟子たちにご自分が生きておられることを示し、福音を語り、聖霊の約束を告げました。「エルサレムを離れないで、わたしから聞いた父の約束を待ちなさい。ヨハネは水でバプテスマを授けましたが、あなたがたは間もなく、聖霊によるバプテスマを授けられるからです。」(4-5イエスが語られたのは「神の国」の福音です。ところが、弟子たちが考えていたのは地上のイスラエルの国のことでした。「主よ。イスラエルのために国を再興してくださるのは、この時なのですか。」(6イエスが王となりイスラエルが独立すれば、自分たちは名誉ある地位に就ける…彼らは復活のイエスに出会いましたが、中身は古いままでした。弟子たちが求めていたのは地上のこと、自分が偉くなり人の上に立つこと。こういう思いは私たちの中にもあります。福音は私たちの古い生き方を明らかにします。そしてそういう生き方が本当の人間らしい生き方なのかと問いかけるのです。

 

聖霊は新たに造り変える ・イエスの弟子に必要なことは、古い生き方を手放して新しい生き方を始めることです。そのために注がれるのが聖霊です。「いつとか、どんな時とかいうことは、あなたがたの知るところではありません。それは、父がご自分の権威をもって定めておられることです。しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。」(7-8聖霊は神ご自身のいのちの息(創2:7)です。神の約束は、旧約の時代には預言者、祭司、王という特別な人にだけ注がれていた神の霊が、すべての人に注がれるという約束です(ヨエル2:28-29)。ペンテコステの朝、この約束が実現しました。聖霊によって与えられる力は、古い自分を強める力ではなく、私たちを新しく造り変える力です。神に「愛されている子どもらしく」(エペソ5:1)、キリストに似た者へと造り変えられていく。これが聖霊が私たちに与えてくださる力です。

 

 

私を通してキリストが証しされる ・「そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。」(8)私たちが聖霊によって力を受けるのはキリストを証しするようになるためです。聖霊はまず私たちの内側でキリストを証しし、私たちを、自分を証しする人から、生き方とことばによってキリストを証しする人へと変えます。聖霊はばらばらにではなく、イエス・キリストの弟子たちの群れである教会に注がれました。ペンテコステの朝、弟子たちに約束の聖霊が注がれ、教会が生まれ、この日から、イエス・キリストの福音が世界へと伝えられていくことになります。私たちの新しい歩みを導くのは聖霊です。今教会が追い求めることは元通りの活動よりも、キリストが証しされることです。キリストを証しするために必要なことは雄弁でも業績でもなく、聖霊がくださる力による信頼と確信です。毎日の生活の中で、聖霊が私を通してキリストを証ししてくださるように、祈りつつゆだねつつ、ともに歩んでいきましょう。