2020年9月6日礼拝

救いは主の力によって      ヨシュア記6章1~11節

 堅く閉じられた門 ・「エリコはイスラエルの子らの前に城門を堅く閉ざして、出入りする者はいなかった。」(1)エリコの王はイスラエルの民を恐れ、彼らの中で主の力が働いていることを恐れているのです(5:1)。彼がしたことは城の門を閉ざすことでした。これはエジプトの王ファラオが、モーセが語る神のことばに心をかたくなにしたことと重なります。神のことばに耳を傾けようとせず、主に対して心の門を閉ざすこと。それはエリコの王やエジプトのファラオだけのことではありません。生まれながらの私たち一人一人も罪によって、神に対して心を「堅く閉ざして」いました。私たちの心を開き、人々の心と耳を開くのは自分の力でも人の力でもありません。主の力です。

 

主の力が現れるため ・「主はヨシュアに告げられた。『見よ、わたしはエリコとその王、勇士たちをあなたの手に渡した。』」2)確かな主の約束です。けれども、エリコがイスラエルの手に渡るのはふつうの戦いによってではありません。彼らの前にはエリコの城壁が立ちはだかります。なぜ私たちの前には困難という壁があるのでしょうか。主の力が現れるためです。これまでも、イスラエルの民はエジプト、葦の海、荒野の旅、ヨルダン川という人の力ではどうにもならないいくつもの壁を越えてきました。彼らは最初から最後まで主の力によって救い出され導かれ続けたのです。それは主の力が現されるためでした。私たちは自分の力でもなく人の力でもなく、イエス・キリストの十字架と復活によってあらわされた主の力によって、悪魔の支配と罪の力から救われました。そしてこれからも主の力によって新しくされ、導かれていくのです。

 

 

主だけに信頼し、従うため ・私たちに必要なことは主の力に信頼して従うことです。主の力は主の民を通して働きます、だから神の民には役割があります。「あなたがた戦士はみな町の周りを回れ。町の周囲を一周せよ。六日間そのようにせよ。七人の祭司たちは七つの雄羊の角笛を手にして、箱の前を進め。七日目には、あなたがたは七回、町の周りを回り、祭司たちは角笛を吹き鳴らせ。」(34)戦士がエリコの周りを回る間、七人の祭司が「主の契約の箱」(6)を担いで進みます。主の契約の箱は主が彼らのただ中にともにおられることを表します。この戦いは主の力によって成し遂げられる主の戦いです。イスラエルの戦士たちに要だったことは、自分の力に任せて戦うことではなく、主に信頼し、主が語られることばに従うことでした。「あなたがたはときの声をあげてはならない。声を聞かせてはならない。口からことばを出してはならない。『ときの声をあげよ』と私が言うその日に、ときの声をあげよ。」(10)戦士たちに求められたのは沈黙です。黙って主に信頼すること。待ち望むこと。主の力が目に見えるかたちであらわされることには時間がかかることがあります。主の力が弱いからではありません。私たちが主だけに信頼することを学ぶ時間が必要だからです。悪魔の力、罪の力に対して、主はもう勝利を約束してくださっています。救いは主の力によるものです。主の力に信頼して従うなら、私たちを通して主の救いのわざは前進するのです。