2021年12月12日礼拝

救い主を待ち望む人は  ルカの福音書1章39~45節

交わりが必要 エリサベツはマリアの親戚であり洗礼者ヨハネの母です。マリアはこのとき、もうすでに天使から、救い主がマリアのお腹に宿る、このすばらしい、驚くべき知らせを受けていました。婚約中のマリアにとって妊娠はまったく身に覚えのないことでした。しかも救い主の母となるということ。そんな大きな責任をマリアは背負いきれるでしょうか。けれどもマリアは信じ受け入れる道を選びました。そしてこのとき、天使はマリアに、エリサベツのお腹にはもう6ヶ月の赤ちゃんがいることを告げました。信じられないようなことでした。エリサベツには子どもがなくもう高齢だったからです。子供が産まれるはずのないお腹から赤ちゃんが産まれる。それはマリアも同じでした。だからマリアはエリサベツのもとへ急いだのです。「エリサベツがマリアのあいさつを聞いたとき、子が胎内で躍り、エリサベツは聖霊に満たされた。」41)さらに、聖霊に満たされたエリサベツが語ったのは自分のお腹にいる赤ちゃんのことではありませんでした。「そして大声で叫んだ。『あなたは女の中で最も祝福された方。あなたの胎の実も祝福されています。』」(42) マリアはどんなに勇気づけられたことでしょうか。ここにあるのは主にある交わりです。<交わり>とは同じものを共有するという意味です。私たちがそれぞれ自分のことだけに関心を持っているところには交わりは生まれません。けれども、聖霊は私たちの中で、互いに思いを共有しあうようにと導きます。だから互いのために祈ることができるようになるのです。マリアとエリサベツの間には同じ主に信頼して従おうとする人同士の交わりがありました。同じ神の奇跡を味わった人同士の交わりがありました。救い主を待ち望む人に必要なのはこのような交わりなのです。

 

 

主の約束を信じる人 「私の主の母が私のところに来られるとは、どうしたことでしょう。」(43)エリサベツはマリアを「主の母」と呼んでいます。マリアのお腹から救い主が生まれる。愛によって人々を罪から救う救い主がマリアのお腹に宿っている。エリサベツは主を証ししています。それはこれから生まれるヨハネの生き方そのものです。ヨハネは自分ではなく主を証しする預言者でした。「主によって語られたことは必ず実現すると信じた人は、幸いです。」45)これは旧約聖書から語られ続けてきたメッセージそのものです。なぜ神の民は信じるのか。信じられる状況や証拠があったからではなく、神によって語られた約束だからです。聖霊の証しによって、エリサベツとの交わりを通して、マリアもまた主の約束を信じることができました。主の約束は、主がご自身の民とこの世界を罪と死から救われるという約束です。主の約束はイエスの誕生によって実現し、イエスの十字架と復活によって成し遂げられました。そしていま私たちは主の約束を待っています。それは主イエスがもう一度この地上に来られ、私たちはイエスのように造り変えられるという約束です。ですから救い主を待ち望む人は主の約が必ずその通りになると信じ続ける人です。祈りと交わりの中で主の約束を信じて一週間を過ごしましょう。そしてともにクリスマスの時、神が私たちにしてくださった大きな喜びをひとりでも多くの方と分け合いましょう。