２０２２年４月１７日礼拝

思い出しなさい　　　　　　　ルカの福音書 ２４章１～１２節

・「週の初めの日の明け方早く、彼女たちは準備しておいた香料を持って墓に来た。」(1)この女性たちは遠くからイエスの十字架を見ていました。墓に葬られるところも見ていました。聖書の別の箇所を見ると、この女性たちはイエスによって病を癒やされ、悪霊を追い出していただいた人たちでした(ﾙｶ8:2－3)。イエスの愛といやしによって、彼女たちの人生は変わりました。イエスによって、私は神に愛されているということがわかったからです。女性たちは自分たちの人生をイエスにささげました。そしてガリラヤから都エルサレムまで弟子たちと一緒にイエスについてきました。けれどもその最後はイエスの十字架の死でした。せめてイエスの身体に香料を塗って、イエスへの愛を表したい。そんな気持ちで彼女たちは墓にたどり着きました。すると墓の入り口の石が脇に転がされていて、イエスのからだはそこにはありませんでした。女性たちは「途方に暮れてい」(4)ました。どうしていいかわからなくなるとき、人は神に出会います。女性たちの前に天使が現れます。「あなたがたは、どうして生きている方を死人の中に捜すのですか。ここにはおられません。よみがえられたのです。」(5－6)天使が告げたことは、イエスは生きているということでした。

・さらに天使は続けます。「まだガリラヤにおられたころ、主がお話しになったことを思い出しなさい。人の子は必ず罪人たちの手に引き渡され、十字架につけられ、三日目によみがえると言われたでしょう。」(6－7)女性たちは忘れてしまっていた。けれども今思い出すことができたのです。十字架と復活は、イエスが前もって語ってくださっていたことばの通りの出来事だったのです。イエスを信じるとは神のことばを信じるということです。聞いてすぐに信じられないこともある。それでも神は語られます。神のことばを思い出しなさい。何度でも思い出すために私たちは毎日神のことばを聞くのです。

・女性たちは戻って弟子たちに報告しますが、彼らは信じられず「たわごと」だと思いました。ませんでした。彼らもイエスのことばを忘れてしまっていたのです。けれども一人の弟子が立ち上がりました。「しかしペテロは立ち上がり、走って墓に行った。そして、かがんでのぞき込むと、亜麻布だけが見えた。それで、この出来事に驚きながら自分のところに帰った。」(12)イエスのことを三回も知らないと言ってしまったペテロ。やがてペテロも他の弟子たちもやがてことばを思い出します。そしてついに、よみがえられたイエスに出会い、イエスを伝える歩みを始めることになります。途方に暮れていた女性たち、信じられなかった弟子たち。私たちにも、どうしてよいかわからない時、信じられるものが何もないような時があります。そんなときには神のことばを思い出しなさいと、主は今日も私たちに語っておられます。学校で、職場で、家庭で、戦争、貧しさ、苦しみのある中でイエスは今生きておられるます。私たちもまたここから立ち上がって、よみがえられたイエスとともに、今日から歩いていくのです。