202226日礼拝

受け継がれる神の民の信仰       ヨシュア記24章29~33節

主がともにおられたから ヨシュア記最後に語られるのはヨシュアの死と葬りです。「これらのことの後、主のしもべ、ヌンの子ヨシュアは百十歳で死んだ。人々は彼をガアシュ山の北、エフライムの山地にある、彼の相続地の領域にあるティムナテ・セラフに葬った。」(2930)モーセの次の指導者として、ヨシュアの生涯は勇敢な信仰の生涯でした。イスラエルの民をヨルダン川の向こうの約束の地カナンへと導くこと。カナンの地での戦いに神の力によって勝利すること。約束の地を部族ごとに割り当て、次の世代に受け継いでいくこと。神から与えられた大事なつとめをなし終えて、ヨシュアは地上での生涯を走り抜きました。神から与えられた使命をヨシュアが最後までまっとうすることができたのは、主がともにいてくださったからです(19)

 

ヨシュアが残したもの ヨシュアのいくつもの戦いに勝利した業績、優れたリーダーシップ、それらは目に見える部分です。ヨシュアが残した目に見えないものは、ともにおられる主だけに信頼する信仰でした。ヨシュアが約束の地で葬られた場所はイスラエルの先祖ヤコブが買った土地(30)、イスラエルの先祖ヨセフの遺言は、彼の遺骸をエジプトではなく故郷に葬ってほしいということでした(創世50:25)。その故郷こそがイスラエルの民に与えられた約束の地です(32)。神の民イスラエルは心に刻んだことでしょう。今に至るまで、主は変わらずイスラエルの神でいてくださったこと。これからも、主は変わらずイスラエルの神でいてくださること。ヨシュアを通して神の約束の地は次の世代に受け継がれました。土地を受け継ぐことを通して語られているのは、信仰を受け継ぐというテーマです。同時に、信仰を受け継ぐことは戦いです。「ヨシュアがいた間、また、主がイスラエルのために行われたすべてのわざを経験して、ヨシュアより長生きした長老たちがいた間、イスラエルは主に仕えた」(31)次の「士師記」では、イスラエルの民がカナンの地の宗教の影響を受けて神に背いた時代のことが語られています。教会においてもクリスチャン家庭においても、信仰を受け継ぐことには戦いがあります。

 

主のしもべとして モーセがそうであったように、ヨシュアもただ主のみに仕える「主のしもべ」としての生涯を全うしました。私たちにとっての「主のしもべ」は、最後まで天の父に従って歩まれたイエス・キリストです。モーセとヨシュアの主のしもべとしての信仰の生涯は、イエス・キリストによって私たちに受け継がれました。ヨシュアは個人の信仰を受け継いだのではありませんでした。神の民の信仰です。そして私たちもまた、自分個人の信仰を受け継ぐのではありません。神の民の信仰、教会の信仰を受け継ぐのです。私たちに与えられた使命は、2000年前にイエス・キリストがお建てになった教会の信仰を受け継ぐことです。アブラハム、ヤコブ、ヨセフ、モーセ、ヨシュア。旧約聖書が語るのは主によって選ばれ主とともに歩む人々の生き方です。私たちもまた救い主イエス・キリストを通して、神によって選ばれ神の民とされました。それは主に仕える歩みを通して、次の世代に信仰を受け継ぐためなのです。