2023年2月19日礼拝

愛によって変えられる  ヨハネ14:15―17

愛が動機 ・教会は信じること、生きることのすべてにおいてみことばに聞き従います。なぜ教会はみことばに聞き従うのでしょうか。私たちがみことばに従う動機は義務感や打算ではなく、愛です。「もしわたしを愛しているなら、あなたがたはわたしの戒めを守るはずです。」(15)  イエスはまもなく弟子たちのもとを去って行かれます。弟子たちはこれまでイエスの愛を味わってきました。イエスはまず弟子たちの能力以前に、弟子たちの存在を受け入れてくださいました。何の条件も付けずに<わたしについてきなさい>と招いてくださった。ありのままの存在を受け入れ、選び、招いてくださった。実はこれは歴史の初めからの神のあり方でもありました。神は能力や力のある人ではなく、年老いて子どものいないアブラハムを、弱くて小さなイスラエルの民をご自分の宝の民として選び愛してくださいました。そして今、神は私たち一人一人を、イエスを通して特別に選んで愛してくださっています。主イエスの愛はありのままの私の存在を選び受け入れ選んでくださる愛です。けれどもそれで終わりではありません。弟子たちがこれから経験することは、さらに大きな愛、イエスの十字架の愛です。私を罪から救う愛、私をイエスを愛する者へと造り変える愛です。イエスはご自分を愛する者は戒めを<守るはず>だと言われます。使われているのは単純に未来形です。当然守るはずだ、というのではなく、弟子たちにもともと守る力があるのでもなく、イエスの愛を受けて、私を愛してくださる方に心から信頼するようになって、これからイエスの戒めを守るように変えられていくのです。そしてイエスの戒めは「互いに愛し合いなさい」(1334)という愛の戒めです。

 

 

もう一人の助け主 ・私たちが<互いに愛し合>うことは決して簡単なことではありません。弟子たち自身も、これまでは他の弟子よりも自分が偉くなることを考えてきました。だからイエスは弟子たちがイエスの愛の中で互いに愛し合うことができるように天の父にとりなし祈ってくださいました。「そしてわたしが父にお願いすると、父はもう一人の助け主をお与えくださり、その助け主がいつまでも、あなたがたとともにいるようにしてくださいます。この方は真理の御霊です。世はこの方を見ることも知ることもないので、受け入れることができません。あなたがたは、この方を知っています。この方はあなたがたとともにおられ、また、あなたがたのうちにおられるようになるのです。」(16-17)天の父がしてくださることは、弟子たちにもう一人の助け主を与えることです。イエスはもう一人の、といわれます。これまでは弟子たちの助け主はイエスでした。弟子たちを慰め、心の声に耳を傾け、弟子たちを教え、真理へと導く助け主です。イエスはまもなく弟子たちのもとを去っていきます。これから聖霊は弟子たちのそばにいて、彼らがイエスを愛し、互いに愛し合うことができるように助けてくださるのです。イエスの愛と私たちの愛を結ぶのは聖霊です。助け主である聖霊によって、私たちはイエスの愛を知り、イエスに愛された者として、愛する私へと変えられていきます。今私たちは十字架と復活のイエスの愛を受けています。ここからまた、私たちがキリストの教会の民として互いに愛し合う歩みが始まるのです。